日本産天然精油連絡協議会 シンポジウム

COLUMN

日曜日は、和精油のシンポジウムのお手伝いに、調香のお仲間と一緒に伺わせて頂きました。

今回は長島先生が発起人となり、2017年の発足以来、初のシンポジウム。理事には大御所が名を連ね、アロマ好きならば一度は手に取ったことがあるであろう会社さんが賛同しています。

そういった方々のご講演が沢山聞けて、とても勉強になりました✨

日本産アロマのクオリティを高めること、生産方法の向上、その他の課題にも取り組まれていくそうです。大変興味深く聴き入り、メモが止まらず、あっという間のひとときでした。

素敵な機会に携わらせて頂き光栄でした。お声かけ頂きました長島先生、ありがとうございました。

(少しだけ…)特に面白かったのが、採油率のお話。1,000kgの素材から1%=1kg採れるのか、2%=2kg採れるのかで、全然変わってきます。

樹木の枝葉の採油率まで気にしていなかったし「樹木は年中採れるから良いわね♪」と思っていたけれど、子孫を残すために花を咲かせ、実をつけているシーズンはそちらにパワーが行くために採油率が下がるとのこと。。。確かに。。。自然て凄い!

アロマは本当に奇跡の一滴なんだなぁと、改めて思いました✨

・・・・

以下、講演中に思い出した本。自分の備忘録として記載します。自然の凄さを折に触れて思い出す一説です。

【樹木たちの知られざる生活】より引用

木も自分を表現する手段をもっている。それが芳香物質、つまり香りだ。 およそ四〇年前、アフリカのサバンナで観察された出来事がある。 キリンはサバンナアカシア(アンブレラアカシア)の葉を食べるが、アカシアにとってはもちろん迷惑な話だ。

この大きな草食動物を追い払うために、アカシアはキリンがやってくると、数分以内に葉のなかに有毒物を集める。 毒に気づいたキリンは別の木に移動する。

しかし、隣の木に向かうのではなく、少なくとも数本とばして一〇〇メートルぐらい離れたところで食事を再開したのである。 どうしてそれほど遠くに移動するのか、そこには驚くべき理由があった。

最初に葉を食べられたアカシアは、災害が近づいていることをまわりの仲間に知らせるために警報ガス(エチレン)を発散する。 警告された木は、いざというときのために有毒物質を準備しはじめる。

それを知っているキリンは、警告の届かない場所に立っている木のところまで歩く。 あるいは、風に逆らって移動する。

香りのメッセージは空気に運ばれて隣の木に伝わるので、風上に向かえば、それほど歩かなくても警報に気づかなかった木が見つかるからだ。

芳香物質によるコミュニケーションの弱点は、風の影響を受けやすいことにある。 空気を使った伝達だけが近くの仲間に危機を知らせる手段ではない。 木々はそれと同時に、地中でつながる仲間たちに根から根へとメッセージを送っている。 地中なら天気の影響を受けることもない。

驚いたことに、このメッセージの伝達には化学物質だけでなく、電気信号も使われているようだ。しかも秒速という速さで。 木の根はとても大きく広がり、樹冠の倍以上の広さになることがある。

それによって、まわりの木と地中で接し、つながることができる。

すばやい情報の伝達を確実にするために、ほとんどの場合、菌類があいだに入っているからだ。 菌類は、インターネットの光ファイバーのような役割を担い、細い菌糸が地中を走り、想像できないほど密な網を張りめぐらせる。

たとえば森の土をティースプーンですくうと、そのなかには数キロ分の菌糸が含まれている。

たった一つの菌が数百年のあいだに数平方キロメートルも拡がり、森全体に網を張るほどに成長することもある。

この菌糸のケーブルを伝って木から木へと情報が送られることで、害虫や干魃(かんばつ)などの知らせが森じゅうに広がる。

森のなかに見られるこのネットワークを、ワールドワイドウェブならぬ“ウッドワイドウェブ”と呼ぶ学者もいるほどだ。



this is default footer data